森喜朗会長による女性蔑視発言がいま話題となっています。
森喜朗さんは東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長。
彼の女性蔑視発言によって国内外から批判が殺到しています。
その発言とは、日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会中に吐き出された言葉。
森会長が3日に発言した主な内容は次の通りです。
「女性理事を選ぶっていうのは文科省がうるさく言うんです。だけど、女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。女性っていうのは競争意識が強い。誰か一人が手を挙げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。それで、みんな発言される。女性の数を増やしていく場合は、この発言の時間もある程度は規制をしておかないとなかなか終わらないので困る、と誰かが言っていた。私どもの組織委員会にも女性は7人くらいおられる。みんなわきまえておられて、みんな競技団体のご出身で、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりですから、お話も的を射たご発信をされて非常にわれわれも役立っている」
皆さんはこの発言の何が問題なのかお分かりでしょうか?
現在の日本では、「男女共同参画社会基本法」に基づいて
「男女共同参画社会」が謳われており、昨今の重要な社会政策の一つでもあります。
その政策の内実は「男性も女性も、意欲に応じて、あらゆる分野で活躍できる社会」。
今回の森会長の発言はこの男女共同参画社会とは全く別の方向を向いたものとなっており、
男女平等へ向けて進む正しい社会の動きとは非常に遅れを取っている発言になります。
そもそも現在の日本に女性理事がほぼいないのではなぜでしょうか?
国家単位、企業単位など大小問わない組織で重要な会議のメンバーに女性が少ないのはなぜでしょうか?
森会長はその理由をあたかも「女性に問題がある」かのように発言していますが、これは間違いでしょう。
- 女性は感情的
- 女性は理論的に物を考えられない
- 女性の能力は男性に比べて劣っている
- 女性同士の競争意識が高い
このような蔓延った意識・偏見が女性の進出を妨げている大きな要因ではないでしょうか。
今回の森会長の発言からも女性への偏見・ステレオタイプが強く伺えたと思います。
オリンピック開催予定地の議員がこのような女性蔑視発言をすることは、
国内はもちろん、国外からの信頼を損なうことになるでしょう。
実際に海外でも森会長の発言が大きく取り上げられて、波紋が広がっています。
オリンピック憲章には、「オリンピック・ムーブメントの妨げとなるあらゆる差別と闘う」「あらゆる階層および組織において女性のスポーツ振興を奨励する」「男女平等の原則の完全実施を目指す」などの記述がある中、
ましてや「組織トップ」の今回の発言は決して看過できるものではないと言えるでしょう。
私はジェンダーや性別に関わらず仕事ができる人はできるし、できない人はできないと思っています。
出生する時に2分の1の確率で偶然定められた性別によって、
「女は○○」「男は○○」と判断されるなんてとても悲しく勿体ないことだと思いませんか?
性別による役割分業は時に差別を助長し、息苦しい社会を温存させる要因になると思うのです。
今回は大きな国単位での女性蔑視が明るみになり問題となりましたが、
きっと企業や団体など大小を問わない組織でこのような問題と闘っている人がいるでしょう。
シンセイグループは性別による差別・偏見・分断へ反対しています。
「男性だから・・・」「女性だから・・・」という時代はもう古いです。
性別に関わらずすべての社員が活躍し発展を続けられる会社作りを常に目指してきましたし、
現在も常に自身に内在する価値観を見直し、アップデートし続ける作業を怠らずに会社を守っていく所存です。
いつ、どこでも、どんな人でも悲しい思い、怖い思い、やるせない思いを抱えずに
働くことができるような環境づくりを目指して引き続き頑張りたいなと、
そんなことを再認識させられるような出来事でした。
早く日本も本当の「男女共同参画社会」へ歩み始めることを願っています。