ラブホテルは「ラブホ」「ブティックホテル」「レジャーホテル」「ファッションホテル」など様々な呼称があります。
日本では誰もが知っている存在だと思いますが、実は「日本」や「韓国特有」のホテルになります。
海外ではラブホテルのような建物はありません。
性行為のためだけに時間制で部屋を貸すような所は存在しないようです。
アメリカではラブホが珍しすぎて、ラブホテルをテーマにした写真展が開かれるほどです。
米で「日本のラブホテルの写真展」開催
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091173086759.html
海外では自宅でのセックスが一般的で、人によっては車の中でプレイするカーセックスを行います。
几帳面な日本人は衛生的で清潔感のある空間でプレイするための場所を作り出し、それが文化として根付くまでに至ったのです。
そしてラブホテルは時代とともに形を変え、
現代では部屋の中で星空が観られたり、カラオケが歌えたり、TVゲームができたり、映画が見られたりと、世界の最高級ホテルですら用意できないほどのアミューズメントもそろえるようになりました。
誰にも会わずに料金の支払いができる自動料金清算システムなど、メカニカルな面でも日本が世界に誇る技術力がフルに発揮されています。
他にも、今はあまり見かけない「回転ベッド」ですが、海外からの評価は高く、
プレイする空間を楽しくするためのユニークで素晴らしいシステムを兼ね備えているのがラブホテルなのです。
しかし、日本では1984年の風営法改正で、回転ベッドや1平方メートル以上の鏡などがある施設は「ラブホテル」(店舗型性風俗特殊営業)と定義され、18歳未満の利用や、学校や公園、病院周辺での営業が禁止されてしまいました。
風営法を管轄する警察の監督下に入ることを嫌った経営者の大半は、回転ベッドや鏡を撤去し、旅館業法(厚労省管轄)上の「旅館」として届け出をしたのです。
そのため海外でも人気の回転ベッドは今ではほとんど見ることがなくなってしまったのです。
【ラブホテルの起源は江戸まで遡る】
起源は、江戸時代に茶屋の奥に敷かれた「出会茶屋」や河原の遊覧船で行為する「川舟」といわれているようです。
明治時代に鉄道が開通すると、新橋界隈に待合茶屋(待合)が次々と開業し、
高級な待合は政財界人の打ち合わせや芸妓遊びなどに利用されました。
対して安価な待合が大衆の人々に使用され、それが現在のラブホテルの原型であるといわれています。
【そば屋がラブホテル経営】
原型は明治の安価な待合から始まったとされますが、大正時代に移っても現代のラブホテルの様なものはまだなかったようです。
ただ、性行為をする場所を求める、自由恋愛を行うカップルをターゲットにする商売は無かった訳ではないです。
大正時代では自由恋愛を行うカップルを対象とした商売をしている人々はあまりいなかったとされていますが、副業としてラブホテルに相当する商売を行っていたようです。
商売を行っていたのは、なんと「そば屋」です。もちろん、テーブルを囲んでではありません。
そば屋の二階を使って、店主が商売を行っていたのです。
都市部では、そば屋を「プレイするために部屋を貸してくれる場所」の認識があったみたいです。
代名詞的な存在となったのはそば屋ですが、他にも店舗型商売を行っていて、間貸しでそのように貸していた施設はあったそうです。
部屋をカップルに間貸しして利益を得る方法は受け継がれていき、戦時中では店舗型商売の副業がラブホテルに相当するものになったようです。
【鏡の導入がセックスを盛り上げることに】
昭和30年頃になると売春宿の多くに「鏡」が設置されました。
当時はベッドではなく「布団」の時代で、部屋の壁側に腰くらいの高さのふすまがあって、それを開くと鏡が現れる、というような仕掛けが基本でした。
派手な部屋の場合には、壁全体が鏡になっているものもあったようです。
鏡を使うこと自体にはテクノロジーは必要ありませんので、電動ベッドが登場するよりもはるか以前から「鏡部屋」は存在しました。
「連れ込み旅館」と呼ばれていた多くの旅館には、セックス用の鏡がはられていましたが、部屋の壁や天井に鏡を張る斬新なアイディアを考え出したのも日本人です。
ラブホテルでは鏡が性的アイテムの1つとして用いられたのです。
特に回転ベッドの周囲の壁を全面鏡にして、回転しながら全方向に2人の行為がうつされるようにしてあるものは、人気があったようです。
自宅では経験できない刺激に多くの人が興奮し、「ラブホテルでのセックスは燃える」となって、鏡はラブホホテルの人気を押し上げることに貢献したのです。
色々な体位を全方向から見ながらプレイできる環境は人々を燃えさせたのですが、上記でも述べたように今では回転ベッドも鏡張りの部屋も規制によって少なくなりました。
【ラブホテルはどう変わるのか】
ラブホテルの形は時代によって姿を変えてきました。
ゴーシャスでアトラクション要素のあるラブホテルはシンプルな作りに移行しています。
ラブホテルを利用するのは非日常な空間でプレイしたい人、出張で利用する人など様々です。
鏡や回転ベッドが使用できなくなった分、内装をクリスマスチックする部屋、南国風にする部屋、高級ホテルと見違う綺麗な内装を施す部屋などが出てきています。
男女のプレイ内容を盛り上げるための仕掛け、いわば付加価値をどれだけ付ける事ができるのかがラブホテルの肝だといえるのではないでしょうか。
これからのラブホテルがどのように付加価値をつけるための工夫を行うのかを観察していると面白い発見があるかもしれませんね。